龍神縁起

英彦山神宮に献酒

福岡の英彦山神宮の写真



修験者が修業をする神聖な場としていた英彦山には特別なパワーが満ちている

 

知人から献酒の為に作られたお酒をお預かりしており、私たちが必要と観じる神社に献上をさせていただいています。お酒作りに欠かせないのは水です。まず、美しい水のある場所で無農薬でお米作りをし、美しい水のある場所でお酒造りをする。その作業に関わる方々の意識と麹菌、空気、空間、様々な存在の協力がありお酒が一つのカタチを成します。このお酒の一番のポイントは水です。 献酒をする場と思った時に、必然的に水への感謝という思いが浮かびます。そうなると必ずといっていいほどに、龍神様の存在へと導かれていきます。

 

今回、友人に会う為に行った北九州。せっかくならその地で献酒をさせていただきたいと思いました。友人に相談したところ、英彦山神宮を紹介してくれました。調べてみると福岡県唯一の神宮と書いてあり、素晴らしい場所を勧めてくれ、ありがたく思いました。英彦山神宮にはその友人に連れて行ってもらいました。友人は子どもたちが小さい頃、毎年のように英彦山に登っていたそうです。過去生で修験者やってましたよね!と思うことが多々有る人です。

 

英彦山神宮には駐車場からすぐの場所にあるスロープカーを乗り継ぎ、拝殿まで登ることができます。山がご神体ということは、龍神様との出会いがあるのかも…と期待しながら、スロープカーからの景色を楽しみました。

その昔は多く修験者が修業をする為に訪れ、山の麓は宿場町として大変栄えたそうです。80件ほどある宿場町だったそうで、ここに辿り着くまでの道のりもかなりのものがあるにもかかわらず、その規模の大きさにびっくりしました。時代とともに様々なことが変化をしていきますが、英彦山が修業の場とされた理由は、行ってそのエネルギーを観じて、とっても納得がいきました。自然の神聖なパワーに満ちており、修験者は自然の厳しさの中から、多大なるエネルギー受け取っていたのではないかと想像出来ました。

この日は少し蒸し暑かったのですが、それまでなかった風が突然吹き始め、神宮内を散策するのも心地よい状態になりました。私たちが訪れた時は、残念なことに拝殿の漆の塗り替え作業中で、白い幕に覆われており、その横に参拝所として3体の神様の像が置いてありました。今回は女性3人で訪れたので、必然的にどれが自分!などと遊びをしながらのお詣りです。

英彦山にまつわる文献に、田心姫命・瑞津姫命・市杵島姫命が鎮座しており、その後、宗像宮に移ったと書き記してありました。私たちがそれぞれの姫であるのではなく、女性が3名ということに意味を観じました。そして、北九州と北海道の友人2人は、私の到着する前日に、宗像大社にお詣りに行っていたので余計に面白い!と思いました。

数字の3といえば、藤原恒雄(忍辱)が英彦山で白い鹿を狩り、3羽の鷹が飛来し、白鹿を生き返らせたという逸話があります。そして、英彦山自体が北岳・中岳・南岳の3つの岳で構成されているのも面白いです。集まった3人の自宅の位置関係から、北岳→北海道、中岳→滋賀(虹月)、南岳→九州とこじ付けることもできました。

 

修験道は決して登るつもりはありませんでしたが、あまりにも美しい緑と空気感に、山登りの入り口をほんの少しだけ登りました。美しい自然を感じていたら、どこからか水が流れる清々しい音が聞こえてきました。心地よい風と心地よい水の音。その水の音に導かれるように、階段を降りていき、少し歩いたところで目が合いました!龍神様の口から、豊かな水が流れ出ていました。その後ろには小さな滝があり、そこから流れてきたお水でした。

天之水分神(あまのみくりのかみ)とありました。お水はとても冷たく体の隅々に行き渡るエネルギーを感じました。このお山があり、このお水があるのだと実感しました。多くの方がこの霊水をいただき、心と体の浄化をされたのではないかと思いました。ひっそりと主張しすぎず、しかし存在感はある。そんな龍神様でした。

私たち人間は豊かさをはき違える時があります。与え続けていただいているものは当たり前ではなく、感謝の気持を持ち続けなくてはいけません。物静かにそのようなメッセージを送ってくださっているような龍神様でした。

 

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